「家庭教師の仕事でより不登校の子に対応できるようにしたい!」

そんな思いから、不登校の子どもたちをサポートする不登校訪問専門員の資格試験を受験しました。こちらでは、その受験資格や難易度、出題の内容などをあますところなくお伝えします。

これから不登校訪問専門員の資格を取りたいという方の参考になれば幸いです。

不登校訪問専門員資格の概要

不登校訪問専門員の教材
これが教材一式で、メインは左上の「教本」と真ん中の「資料集」

まずはざっくり概要をお伝えします。

受験資格なし(無条件で受験可)
難易度やさしい
合格率非公表
(何度でも再提出可能)
受験形式レポート提出のみ
勉強時間の目安1、2ヶ月
(期限は6ヶ月で延長可)

主催しているのは一般社団法人 ひきこもり支援相談士認定協議会(HSC)です。もともと「ひきこもり支援相談士」という資格があり、「不登校訪問専門員」はその姉妹版として新設されました。

どこかに通学したりペーパーテストを受ける必要はありません。購入した教材を自宅で勉強し、レポートを郵送かオンラインで提出することで合否判定を受けることができます。

教材の内容

DVD2枚
受講ガイド(進め方の手引きと解答用紙)
教本(74ページ)
資料集(65ページ)
問題集(9ページ)

ヒューマンアカデミーの通信講座「たのまな」で申し込むことができ、費用は35,000円(分割支払い可)となっています。

申し込みはこちらから|通信講座の「たのまな」

難易度は「やさしい」

実際に学習し回答を終えましたが、難易度は「やさしい」と言っていいでしょう。不登校に関するデータや発達障害、パーソナリティ障害、事例などを学んでいきますが、どれも専門的な深い内容ではありません。

不登校の子どものカウンセリングに必要となる、最低限の広く浅い知識を身につけていくための教材になっています。

レポートの記述分量はやや多め

教材の内容も問われる事柄もやさしめですが、レポートで書くべき分量は少なくありません。

  • 設問1:不登校についての記述8問
  • 設問2:語句説明11問
  • 設問3:各種学校についての語句説明13問
  • 設問4:施設・団体についての語句説明28問
  • 設問5:カウンセリング手法の語句説明4問
  • 設問6:記述1問
  • 設問7:選択式記述1問
  • 事例演習:ケース別に7問

となっています。

私の場合、パソコンのエディタに回答を打ち込んでいきましたが、写した問題文も含めてトータルで17,000字となりました。原稿用紙換算で40枚分ほどは書いたことになります。

勉強時間と必要になる期間

必要な勉強時間とレポート作成時間は30時間ほどでした。

ただし、私の場合はこのサイト「不登校イッツオールライト」を前もって作成しており、さまざまなデータや不登校をめぐる状況はかなり頭に入っていました。この記事作成の時間も含めると何百時間になるかわかりません……。

それでも、1日1時間ほどの勉強で2、3ヶ月あれば大丈夫でしょう。早ければ1ヶ月でもいけると思います。

不登校訪問専門員資格を勉強してみた体験談

この資格試験の勉強と回答作成の流れはこんな具合でした。

▼ ▼ ▼

  • 5月4日:講座へ申し込み
  • 5月8日:教材到着
  • 5月中旬以降:DVDを視聴し教材を読んだあとしばらく放置
  • 7月中旬:レポート作成開始
  • 7月24日:提出

となり、現在は合否の通知を待っている状態です。もっとさっさとレポートを作成すればよかったのですが、他の用事にかまけて放置していた期間がやや長くなりました。

レポート作成の方法としては、パソコンにまず問題だけざざっと書き写し、あとは教材やネット検索を使いながら少しずつ語句説明などの問題を記述していった形です。集中してやったので、この作成自体は4、5日で終わりました。

知識ゼロからスタートして少しずつ進めていくとなると、1、2ヶ月ほどを目安とするといいと思います。

さて、実際にこの資格取得のための勉強をしてみた感想を短く言うと、こうなります。

「不登校の子どものサポートをしていく上で、最低限必要な知識が効率よく身につけられる!」

この教材を学んでいくことで、不登校の現状について効率よく学ぶことができます。

  • 原因やいじめ・ひきこもりとの関連
  • 発達障害やパーソナリティ障害
  • カウンセリング手法
  • 知っておくべき制度や施設
  • 不登校支援のときの注意点
  • 事例別の対策

いずれもざっくりした概要ではありますが、最低限の実践的知識を身につけることができます。

これらの知識はネットで検索すればわかることではあります。が、そもそもこういった資格取得という動機がなければ網羅的にリサーチしたりはしないでしょう。そういったことを実践するよい機会となりました。

さらに、レポート作成という課題があるから自分の言葉でわかりやすくまとめる作業が必要となり、これによって知識が整理されます。何度も教材をめぐって確認したり、回答案をチェックすることで、理解の度合いが増してくるのです。作成した回答はそれで終わりではなく、あとあと実務をしていくときに知識の土台として役立ってくれそうです。

教材の理解を問う設問は、実際に不登校の訪問支援をしていく受験者にとって血肉となる、非常に練られた内容であると感じました。

教材にはミスや疑問点も

ただし、問題集を見てレポートを作成していく中で、出題者のミスや教材の不備も少々気になりました。

まず、問題集の冊子と受講ガイドにある回答用紙とで食い違いがあります。問題集の設問4は(28)までなのに、受講ガイドとダウンロード版の回答用紙には(30)まであり、混乱させられます。

問い合わせをしたら(28)までの方が正しいとのこと。これは早急に訂正して欲しいですね。

あとは、語句説明の問題の中にすでに廃止・改称された制度や施設の説明を求めるものがありました。教材自体がすでに古くて改定してないままの可能性があります。

このあたりも新しいバージョンに改定して欲しいですね。

不登校訪問専門員の資格が活かせる仕事・求人

不登校訪問専門員の資格が活かせる仕事には、たとえばこのようなものがあります。

  • 学校の教員
  • 塾講師・家庭教師
  • フリースクール・スリースペースの職員
  • 精神科・心療内科など医療関係者
  • 習いごと教室・クリニックなどの経営者
  • 不登校を経験した子どものいる主婦

やはり、いずれも子どもとの接点がある職業、不登校の子と関わる仕事となっています。

Yahoo!知恵袋などの質問サイトでは、「不登校訪問専門員の資格があっても働き口・就職口なんかない」との指摘もなされています。たしかに、この資格だけで就職に結びつくといった性質のものではありません。

しかしながら、教育関係・医療関係の仕事をしていたり、あるいは自ら不登校を経験した方や子どもの不登校問題に向き合ったことのある方がこの資格を取ることにより、仕事の幅を広げることが可能です。

学校教員やスクールカウンセラー、行政関係者ではなく、あくまで民間の「第三者」として不登校のお子さんやご家庭に関われる。気軽な相談相手であり、官民を問わない制度や施設へのパイプ役となれる。この独特のポジションが必要とされる場面もあるのです。

教員資格や臨床心理士と同列に語ることはできませんが、「プラスアルファの武器」として、不登校訪問専門員の資格は役に立つはずです。

合格後の見通し

つい昨日、レポートを提出したところですが、合格したあとのことについて。

最近はこのサイトを作成したこともあり、また家庭教師の仕事をしていこうと考えています。そこで、不登校の子どもたちのサポートを専門的にやっていきたい。

これまでも不登校の生徒を担当することはありましたが、やはりそのときは「勉強を教える」ことばかり考えすぎており、不登校を家族の問題として捉えたり、関係機関とのパイプ役となったり、カウンセリングをしたりということはできていませんでした。

しかし、今後は資格取得のために勉強した内容を生かして、家庭教師という切り口から不登校の支援に携わっていこうと思っています。

不登校の子がいたとしても、最初から支援機関や行政に相談するのはハードルが高いものです。

「フリースクールってどんなとこ?」
「適応指導教室ってどこにあるの?」
「朝起きられないのは精神科? 心療内科? どこに行けばいいの?」
「途中から通信制高校に入ることはできる? 費用は?」
「お金をかけずに勉強の遅れを取り戻すにはどうすればいいの?」

などなど、わからないことばかりでうろたえてしまったり、まずどこに相談していいかもわからないご家庭がほとんどでしょう。ですが、家庭教師であれば一般的なサービスですから依頼へのハードルが低いはず。と同時に、不登校との関連がきわめて深い仕事でもあります。

不登校に特化した家庭教師として、今後はやっていこうと思っています。

まとめ

以上、不登校訪問専門員の資格についてお伝えしました。かなり詳細にお伝えできたのではないかと思います。

いま不登校の問題に関心があり、何らかのかたちでサポートができないかとお考えの方がいらっしゃれば、ぜひ受験をおすすめいたします。