埼玉県北部、夏の暑さで知られる熊谷市に、県立熊谷西高校という学校があります。通称、熊西(くまにし)。
偏差値は60を少し上回り、卒業生ほぼ全員が大学へ進学するという、いわゆる進学校です。
わが母校でもあるこの熊谷西高校ですが、しかし、「進学校」と呼んでいいのかどうか、疑問になるほど進学実績がヤバめなのです。
熊谷西高校の進学実績が微妙すぎる
熊西というと、地元での評価はそこそこです。「進学校」として知られており、同じ熊谷市にある熊谷高校(熊高)と熊谷女子校(熊女)に次ぐ学校だと捉えられている。
ところが、その大学進学実績はいかにもパッとしない。
たしかに進学率自体は高いから、「進学校」という言い方は間違ってはないのかもしれませんが、にしても、進学先の大学がそのイメージに釣り合わない。
どんな感じかというと、東大・京大はもちろん皆無。難関国立大とか医学部に合格できるのは学年で1人いればいい方。国立大学だと埼玉大学・群馬大学に受かればかなり優秀というレベルです。
私立では、早慶上智レベルはやはり数人で、GMARCHに行ければかなりいいという感じ。
では、大半の熊西生がどこに合格・進学しているかというと、日大・東洋大・大東文化大という、いわゆる日東駒専レベルの大学、もしくはそれ以下の大学群なのです。
たとえば、平成31年の合格状況の中から、主だったところを抽出してみましょう。
- カッコ内は現役
- おおむね上から偏差値順
大学 | 合格者数 | うち、現役生 |
---|---|---|
国立大学 | 42 | 32 |
早稲田 | 1 | 0 |
慶應 | 1 | 0 |
上智 | 1 | 1 |
同志社 | 1 | 1 |
青山学院 | 6 | 4 |
学習院 | 7 | 6 |
立教 | 11 | 9 |
明治 | 14 | 11 |
法政 | 16 | 13 |
東洋 | 40 | 37 |
日本大 | 26 | 24 |
専修大 | 14 | 8 |
國學院 | 14 | 12 |
大東文化大 | 44 | 39 |
駒沢 | 14 | 11 |
立正大 | 10 | 10 |
昭和女子 | 12 | 12 |
成蹊大 | 11 | 7 |
帝京大 | 10 | 10 |
東京電気大 | 24 | 18 |
東京家政大 | 24 | 22 |
城西大 | 20 | 19 |
このように、浪人を含めて国立は42人、早慶上智は3人しかいません。
やはり多いのは日東駒専、さらにはその下である大東亜帝国と呼ばれる大学で、1学年300人ほどのうち、おそらく半数くらいはこの偏差値50前後の大学に進学しているのでしょう。
さらに、偏差値40台、30台、あるいはFランクとかボーダーフリーと呼ばれる大学名も多く、これは「合格数」ではありますが、実際にも少なくない卒業生がそういったところに進学していると考えられます。
しかもこれは近年だけの傾向ではなく、少なくともこの15年間(!)、まったく変わっていない傾向です。
3年間でほとんど生徒が伸びない環境
熊西は一応は進学校であり、地域の中学校の中である程度賢い生徒が入学してきます。入学時の偏差値は昔も今も60程度で、決して低くはありません。しかし、そこから3年間が経過したあとの進学先は上記のような体たらくです。
ポテンシャルで言えば、早慶上智や旧帝大に合格できる生徒も決して少なくないはず。でも、実際にはほとんど合格実績がない。
つまり、熊西には生徒をしっかり伸ばすだけの教育環境がないのです。
これがもし農業高校や商業高校、あるいはきわめて特色ある学校であるなら、納得もできます。大学受験は重要な要素でなく、他の活動に熱心であるがゆえに進学実績が低い。だったら理解もできる。
しかし、熊谷西高校はいわゆる普通の学校で、大学進学を第一目標としているはず。大学受験での結果こそが期待されているはずです。なのに、大学進学実績がこのザマなのですから、レベルが低いと言われても仕方がありません。
熊谷西高校に感じる「田舎のお役所」感
私が在籍した当時からそうでしたが、熊谷西高校には「田舎のお役所」みたいな空気が漂っています。
何かやってやろうという活気や熱意はなく、なんというのか、場のエネルギーがまったく感じられない。生徒も中途半端にまじめでお利口だから、田舎の畑の中の校舎で危機感もなくのほほんと過ごしている。
最近は普通科の高校の存在意義が問われてきていますが、まさに熊谷西高校は過去の遺物であり、負の遺産のような存在だと言えまししょう。
これが民間企業であれば時代の波にさらされて淘汰されるのですが、県立高校という「お役所」には倒産はありません。経済的な評価からは免れています。進学実績が低くても特に存続の危機にさらされることもない。だから、とりたてて改革もされないし、潰れるということもない。
ただただ、昔からあるから今もあるという、そういう「田舎のお役所」みたいな空気が漂っているわけです。
危機感を覚えるなら通信制高校に行くべき
いま、時代の流れをまともに読める人間なら、こんな高校に3年間も通うなんてありえません。私は小学校から大学、塾や予備校も含めていろんな学校に通いましたが、熊西だけはヤバい。別格で、通ってはいけない教育機関です。可能な限りはやくやめて、別の道を模索した方がいい。
この頃はふつうの全日制高校自体が見限られてきており、N高をはじめとした通信制高校に人気が集まっています。普通に考えて、学力すら伸びない全日制高校に通って貴重な3年間を無駄にするなんてありえない。
普通科の高校とかマジで終わってますよね。こんな潰しの効かない人材を量産してどうするんだろう。
AbemaTVでの堀江貴文の発言より
まさに、ホリエモンの言う通りです。通信制高校で効率的に学習しつつ、ほかの興味あることを伸ばした方が絶対にいい。
まともな判断力のある親御さんや生徒はもう気付いていて、どんどん普通の高校という泥舟から飛び降り、通信制高校などの選択肢を模索しています。熊西は泥舟中の泥舟ですから、1日でもはやく逃げ出さないといけない。
高校生のうちに気付けるかどうか? ここで、激変する未来に対応して生きられるかどうかが分かれていくでしょう。
最後に、現役高校生とその親御さんのために、通信制高校の資料請求について書いた記事をご紹介しておきます。あとはあなたの判断次第です。