それによっては通信教材や塾も検討したいけど、経験がないからよくわからないわ……。
はじめてお子さんの家庭教師を検討されてる方も、久しぶりにお願いしようという方も、きっとあれこれ悩まれていることでしょう。
そこで、こちらの記事ではトライや個人契約などの家庭教師を8年やった経験とエピソードを交え、経験者だからこそわかるメリットとデメリットをご紹介します。
教育の質や経済的な部分にも触れ、塾や通信教材なども含めた中でベストな選択ができるように解説いたします。
目次
家庭教師のメリット
ありきたりな事柄はなるべく省略し、経験者ならではの内容をお伝えしようと思います。先にメリットとデメリット、それぞれ3つずつをごらんください。
メリット | デメリット |
・マンツーマン指導 ・教材と教え方が自由 ・安く抑えられる | ・教える力が弱い ・個人に左右される ・時間が足りない |
以下、このメリットとデメリットを1つずつ解説していきます。その中で、集団塾との比較、仲介業者と個人契約との違いといった点についても言及していこうと思います。
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メリット1:マンツーマン指導
もちろん、家庭教師最大のメリットは生徒と一対一で向かい合ってもらえるところ。
私が集団塾で講師をしていたとき、質問に来るのはよくできる3割ほどの子に限られていました。彼らは授業の前後にも先生を使い倒し、賢く勉強を進めていたと思います。
一方、そもそも質問力のない子、消極的な子は授業を受けて帰るだけ。かかる費用は同じなのに、もったいないですね。
その点、家庭教師なら一人だけに向き合えるので、教師の側から「この子はどこがわからないんだろう?」とか「あの問題をやらせたらどうか?」ときめ細かい配慮をすることができます。
基礎ができていない子は自分から質問するのが難しいもの。おまけに、「またこれを訊いたら叱られるかも」という恐怖感もあるかもしれません。そのため、そういった子には一対一で平等に指導してもらえる家庭教師が向いています。
集団塾の講師であっても、なるべく一人ひとりの生徒に向き合おうとはしています。が、いかんせん生徒が全体で100人以上いたりするので、どうしても限界が出てきます。
外からだと見えづらいかもしれませんが、塾講師はポスティングをしたり電話対応をしたりプリントを作ったりHPの更新をしたり研修を受けたりと、かなり多忙な職業。家庭教師のように、一人の生徒にじっくり向き合う時間はなかなか取れないのが実情です。
メリット2:教材と教え方が自由
集団塾の場合は独自のテキストがあり、それに沿って教えていくことになります。たいてい質のいいものが用意されています。が、しかし、それに縛られるという面もある。個人の判断で教材や映像を用意して授業で使う、というのはやりにくい部分もあります。
他方、家庭教師となると個人で動けるから教材も教え方も自由。
「この子にはあの問題集のあの単元をやらせよう」とコピーを渡してもいいし、「水素と酸素を爆発させる映像を見せてあげよう」と思えばその場でスマホを出してYouTubeを見せてあげられる。
あるいは、問題集の選び方がわからなければ一緒に書店に行って選んであげてもいいし、ChatworkやLINEでオンラインの質問対応をしてもいい。保護者の承諾を得る必要はあるけど、とにかく自由。
教材も教え方も生徒との関わり方も、すべてオーダーメイドでやってもらえるのが家庭教師の強みです。
余談ですが、私が勤務していた塾は「生徒とのSNSでのやり取り厳禁」でした。もし発覚すれば一発解雇とさえ言われていたくらいです。
会社がリスク管理するのは理解できるのですが、それにしてもインターネット利用が進んでおらず、なんと欠席の場合には宿題などを一件一件電話して伝えていました。「LINEかメールを使おうぜ!」と思いつつ、そんなことをしていました。
学習塾は、意外と学校みたいな古い体質が残っていたりします。
メリット3:安く抑えられる
これは意外なポイントでしょう。家庭教師は割高だと思われていますが、それは家庭教師センターを通したらの話。個人契約なら安く抑えることもできます。
最大手のトライで家庭教師をしていたときにご家庭から話を聞いたのですが、どうやら会社と教師で取り分は1:1くらいでした。つまり、払った月謝の半分は永遠に会社側に持っていかれる。
ということは、会社を通さずうまくやれば半分くらいまでは安く教えてもらえる可能性があるということです(先生の収入が同じとして)。
私が学生の頃、家から近くて1回90分以上の条件であれば、1時間あたり1,600円でも受けていました。1回90分で2,500円、月4回としてジャスト1万円。これくらいに抑えることも可能なのです(業者では不可能)。
家庭教師は個人契約でちょうどいい条件の先生を探せば、かなり費用を抑えることができる。これは大きなメリットです。
業者を通すと高いと書きましたが、もちろん、個人契約にはない長所もあります。
・先生がすぐに見つかりやすい
・先生を交代してもらえる
・進学に関するノウハウや独自の教材がある
なので、月謝の半分を取られたとしても、決して「中間搾取しすぎ」とまでは言えません。何を優先するかの問題です。
家庭教師のデメリット
家庭教師のデメリットはメリットと表裏一体。こちらも具体的に3つご紹介します。
デメリット1:教える力が弱い
フルタイムの塾講師になろうと面接を受けたとき、私はこう言われました。
はて、どういうことだろう? 疑問に思ったのですが、研修を受けていくうちにわかりました。集団の前で教えるのと一対一で教えるのとでは、必要な能力が全然違うのです。
「教える」ということに関して優れているのはしっかり研修を受けた塾講師です。発声の仕方から授業の組み立て方、板書や指名のやり方まで、高度な技術を身につけています。
一方、家庭教師はそういった訓練は受けていないし、家庭教師特有の研修やノウハウもそれほどありません。ほぼ全員が自己流と言っていいでしょう。
さらに、塾講師と違って家庭教師は複数科目を一人で担当するという事情もあり、教え方は手薄になりがち。この弱点は踏まえておいてください。
デメリット2:個人に左右される
家庭教師は、実際に来てくれる先生個人によって何もかも変わってきます。
さまざまな家庭教師の仲介業者がありますが、所属する教師はその会社につよく帰属しているわけではありません。私も含め、家庭教師は複数の会社に登録しているのが普通ですから、業者による講師の質の違いというのは実はそんなにないのです。
「なるべくいい先生に来てもらいたい」というのが親御さんの思いでしょう。けど、どこのセンターに依頼しても、正直、どういう先生がいらっしゃるかはわかりません。
お子さんに合う先生が見つかり、いい関係を築ければベスト。しかし、そうならない可能性も少なからずある。これは知っておくべきデメリットです。
なお、極力お子さんと親御さんが先生個人の性格や人柄を知った上でお願いする方法もあるのですが、それは下の方でご紹介します。
デメリット3:時間が足りない
家庭教師をしていてよく感じたのがこれ、時間が足りないという問題です。
たとえば一人の生徒に3教科を教え、週に1回90分だとする。と、なかなか手が回らないのです。宿題チェック、解説、演習、質問受付、まとめ、宿題決めと報告シートの作成とやるわけですが、案外時間が足りません。
小学生の場合、訪問してからテキストやプリントを探したり鉛筆を削ったりして、それでまた時間をロスすることも……。「来る前にやっといてよ」と思うのですが、なかなかできない子もいます。
3教科以上なら週2回、できれば90分以上欲しいというのが、教えていたときの実感です。週1回となると、科目を1つだけにするかコーチングのみに特化するか、やることを絞る方が効果的だと思います。
以上、家庭教師を長くやっていた経験を踏まえ、そのメリットとデメリットをお伝えしました。
家庭教師の探し方【個人契約編】
家庭教師のメリットとデメリットはわかっていただけたかと思います。その上で、おすすめの家庭教師の探し方をお伝えします。
この方法ですと、
- 業者より安い
- 先生個人を見て選べる
という2つのメリットを得ることができます。その方法とは、これ。
家庭教師のTo-Last(トラスト)を利用すること。
個人契約の家庭教師を探すなら、マッチングサイトのTo-Last(トラスト)を利用するのがもっともおすすめ。ポイントはこちら。
- 業者より5割ほど安い
- 入会金や教材販売など余計な出費がない
- トラストに支払うのは紹介料7,800円のみ
- 教師の登録数が多い
- プロフィールを見て決められる
というわけで、メリット盛りだくさんです。
業者を通すと払った費用の半分をずっと持っていかれますが、To-Lastなら単発7,800円しかかからないので、あとは先生に支払うだけ。だから安いのです。時給は登録している先生がそれぞれ自分で決めていますが、低いと1,500円という方もいます。相場は2,000〜3,000円。
プロ講師だと5,000円とか6,000円と高いですが、それでも業者を通すよりはだいぶリーズナブルでしょう。
さらに、先生の写真・在籍(卒業)学校・年齢・性別・プロフィールを見た上で申し込むことができます。これはむしろ、業者を通してはできない選び方です。内容はまちまちですので、お子さんといっしょに候補の先生を見ていって、よさそうな先生を選ぶことができる。
「業者を通していないと不安」という方もいるかもしれませんが、プロフィールを見ていけばトライなど大手のセンターと掛け持ちの人や塾講師で働いていた方もおり、そのあたりの心配はあまりないと思います。
家庭教師の賢い活用方法
いま家庭教師をお願いするなら、ネットのパワーを利用できるTo-Lastを使うのがベストです。さらにもっと言うと、こういう活用方法がおすすめ。
授業はスタディサプリを使い、家庭教師にはコーチングをお願いする。
先ほども書いたように、家庭教師はおおむね教科の内容を教える力は高くはなく、複数科目をやってもらうと時間が足りません。そこで、コーチとしての役割を担ってもらうのがいいと思います。
勉強の内容自体はスタディサプリを使えば十分。月980円で小4から浪人生までの範囲のハイレベルな授業が受け放題ですし、教材もプリントアウトし放題。いちいち問題集を買うより安い。
ただし、自己管理できるかという不安要素があるので、そこを家庭教師の先生にお願いする。あるいは、勉強の仕方だったり高校生活・大学生活について教えてもらう。身近なお兄さんお姉さんとしていろんな相談に乗ってもらう。こうすればうまく補完できると思います。
なお、小4以下の子や、不登校期間があって基礎学力が不安という場合は「すらら」を利用するのがおすすめ。月8,000円なのでやや出費は増えますが。
まとめ
自分の経験を踏まえ、家庭教師のメリット・デメリットをお伝えしました。
もしお子さんが集団塾には向いてないタイプで、基礎学力に不安があるという場合、スタディサプリ(または、すらら)と個人契約の家庭教師を利用するのが現状ではベストだと思います。
では、お子さんにぴったりの先生が見つかりますように。